日本歯科保存学雑誌
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原著
抗菌性シランカップリング剤の細胞毒性
三宅 香大橋 桂二瓶 智太郎清水 統太山口 真一郎近藤 行成好野 則夫寺中 敏夫
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2011 年 54 巻 6 号 p. 393-398

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抄録

われわれは歯質ならびに材料表面の表面自由エネルギーを低下させ,かつ耐酸「生を付与することができる表面改質剤を開発し,プラークの付着,形成ならびに歯質の脱灰を抑制して,齲蝕および歯周疾患を予防することを目的として研究を進めてきた.本研究では,材料表面への抗菌性の付与を目的として新規に合成した第4級アンモニウム塩の構造を有するシランカップリング剤N-allyl-N-decyl-N-methyl-N-trimethoxysilyl-propylammonium iodide (10-I),およびN-allyl-N-methyl-N-trimethoxysilylpropyl-N-octadecylammonium iodide (18-I)の生体為害作用の有無を細胞毒性試験により評価を行った.20mmol/lに調製した10-Iおよび18-Iで表面改質したガラス板を細胞培養液に浸漬し,37℃,5%CO2インキュベーター中で24時間抽出した.これを100%抽出液として培養液で段階希釈し,検体試験液を作製した.培養は組織培養用プラスチックプレートに100個/ml/wellに調製したチャイニーズハムスター肺由来線維芽細胞を0.5ml/well播種し,37℃,5%CO2インキュベーター中で6時間培養した.培養後,各濃度の検体試験液を0.5ml/wellずつ加え培養し,6日後に0.1%メチレンブルー溶液で染色して,細胞数50個以上のコロニーを計測した.細胞毒性評価は,50%コロニー形成阻害濃度(IC50)を求めた.その結果,18-1のIC50は18.8%であり,中程度の細胞毒性を有することが示された.10-1は100%抽出液においても細胞のコロニー形成を阻害せず,IC50は>100%であった.

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© 2011 特定非営利活動法人日本歯科保存学会
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