日本歯科保存学雑誌
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原著
歯質の乾燥状態が光干渉断層画像に及ぼす影響
島村 穣高橋 史典竹中 宏隆吉田 ふみ池田 昌彦森 健太郎黒川 弘康安藤 進宮崎 真至
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キーワード: 画像診断, OCT, 乾燥状態, 歯質
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2012 年 55 巻 5 号 p. 333-339

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抄録

目的:OCTイメージへの影響因子として,歯質の乾燥状態がOCTイメージおよび信号強度に及ぼす影響について検討した.材料と方法:実験には,光源に中心波長1,310nmのSuper Luminescent Diodeを用いたTime-Domain型OCT装置(モリタ東京製作所)を用いた.測定においては,ヒト抜去歯を精製水から取り出し,サンプルステージに静置直後の歯質表面が湿潤している条件,エアブローを10秒間行うことによって歯質表面の水分を除去した条件,エアブロー後1,5分あるいは10分間放置した条件の合計5条件を設定した.以上の条件で得られたOCTイメージおよび信号強度を比較検討した.成績:いずれのOCTイメージにおいても,内部断層構造の観察が可能であり,エナメル質および象牙質が色調の違いとして識別できた.湿潤条件においては歯質表面付近に2本の高輝度のラインが観察されたのに対して,ほかの条件のいずれにおいても高輝度のラインは1本のみ観察された.また,湿潤条件においてはエアブロー条件と比較して得られたOCTイメージが不明瞭であったのに対し,放置条件では放置時間の経過とともに歯質表面の信号強度が強くなる傾向を示した.結論:歯質の乾燥状態は,OCTによって得られる画像に影響を及ぼすことが明らかとなった.臨床的には,観察部表面に対してエアブローを10秒間行うことによって可及的に水分を除去することで,より鮮明なOCTイメージが得られることが示唆された.

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© 2012 特定非営利活動法人日本歯科保存学会
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