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日本歯科保存学雑誌
Vol. 57 (2014) No. 4 p. 325-332

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http://doi.org/10.11471/shikahozon.57.325

原著

 目的: グラスアイオノマーセメント (以後, GIC) への表面処理がコンポジットレジンとの接着強さに及ぼす影響について, 剪断接着強さを測定するとともに表面自由エネルギーを測定することによって, 界面科学的な検討を加えた.
 材料と方法: 実験に供試したセメントは, 従来型GICとしてFuji Ⅸ GP (ジーシー), レジン添加型GICとしてFuji Ⅱ LC EM (ジーシー) およびFuji Fill LC Flow (ジーシー) の合計3製品を使用した. 常温重合型レジンに形成した規格窩洞に, 製造者指示条件に従って練和したセメントを塡塞, 透明ストリップスを介して硬化させ被着面とした. なお, レジン添加型GICについては, 圧接後に製造者指示時間照射することによって硬化させた. 表面処理として, 被着面を35%リン酸水溶液で10秒間処理したもの, および10秒間サンドブラスト処理したものの2条件とし, 被着面に対し処理を施さないものをControlとした. それら処理面に対し, G-Bond Plusを塗布後コンポジットレジンを【E5A1A1】塞して接着試験用試片を製作した. これら試片を37℃精製水中に24時間保管後, 万能試験機 (Type 5500R, Instron) を用いてクロスヘッドスピード毎分1.0mmの条件で剪断接着強さの測定を行うとともに, 同様に処理を施した被着面に対して表面自由エネルギーの測定を行った. また, 処理面についてSEM観察を行った.
 成績: 従来型GICの接着強さは, Controlと比較して表面処理により向上したがレジン添加型ではControlと比較して, 表面処理によって接着強さは低下する傾向を示した. 従来型GICの表面自由エネルギーはControlと比較して, 表面処理によって向上する傾向にあるものの, レジン添加型においてはControlと比較して表面処理によって有意に低下する傾向を示した.
 結論: 本実験の結果から, グラスアイオノマーセメントに対する表面処理は使用するセメントの種類に留意して, その表面処理法を選択する必要性があることが示唆された.

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