日本歯科保存学雑誌
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原著
酸化亜鉛非ユージノール系ペーストタイプシーラーの評価
—物理的特性および根尖封鎖性について—
鈴木 二郎岡田 周策横田 兼欣石井 信之
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2014 年 57 巻 4 号 p. 343-351

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抄録

 目的: 現在, 根管充塡用シーラーとして酸化亜鉛ユージノール (ZOE) 系が頻用され, 良好な臨床成績を収めており, 実用的硬化直後にファイバーポストを用いた支台築造を行った場合でもユージノールによる保持力への影響は低く, 臨床使用上の問題は少ないことが報告されている. その一方, レジン材料重合阻害などへの懸念から, ユージノールを含まないシーラーも使用されている. この非ユージノール系の根管充塡用シーラーとしては, 粉液タイプの酸化亜鉛非ユージノール (非ZOE) 系シーラーが頻用されているが, 粉液製材特有の問題 (採取比・操作性など) がある. そこで今回, 非ZOE系ペーストタイプシーラー (CS-N) を開発し, 対照として市販の非ZOE系シーラー (キャナルスN, 昭和薬品化工) を供試し比較検討を行った.
 材料および方法: ISO 6876: 2012に準じたちょう度・操作時間・硬化時間・被膜厚さ・崩壊率・X線造影性の各種物理的特性試験, 臨床的硬化時間測定, 根尖封鎖性試験および使用感に関する術者アンケート調査 (採取しやすさ, 練和しやすさ, ちょう度) を行った.
 結果: ISO規格物理的特性試験において, CS-Nのちょう度・操作時間・硬化時間・被膜厚さ・崩壊率・X線造影性は, すべて根管充塡用シーラーとして適正値であり, 臨床的硬化時間は12分であった. 色素浸透による根尖封鎖性に統計学的有意差は認められず, 使用感に関するアンケートでは, ペーストタイプの簡便な操作性が総合的に評価され高い支持を得た.
 結論: 新しいペーストタイプの非ZOE系シーラー (CS-N) は, キャナルスNと同等の各種物理的特性および根尖封鎖性を有していた. また, 臨床的硬化時間が12分であることから, 歯冠側漏洩予防にも有用と考えられ, ペースト化による簡便な操作性に高い評価が得られた.

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