日本歯科保存学雑誌
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原著
ヒト歯周組織由来培養細胞へのフラバンジェノール®の効果について
村樫 悦子石黒 一美沼部 幸博
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2015 年 58 巻 5 号 p. 416-424

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抄録

 目的 : フランス海岸松の樹皮 (以下, フラバンジェノール®) は活性酸素の消去および血流促進などの効果をもつと報告されているが, 歯周組織におけるフラバンジェノール®の効果は報告が皆無である. 本研究は, ヒト歯周組織由来培養細胞 (歯肉線維芽細胞および歯根膜細胞) に対するフラバンジェノール®の効果について検索することを目的とした.
 方法 : 歯肉線維芽細胞および歯根膜細胞に0, 10, 100mg/mlのフラバンジェノール®添加培地を3分間作用させた後, 培養液を廃棄して, Hanks’ Balanced Salt Solutionsにて洗浄し, 24時間培養後, 抗酸化能の測定 (ROS阻害率), 細胞増殖率およびATP産生の測定を行い, 歯肉線維芽細胞および歯根膜細胞に対するフラバンジェノール®の効果について検索を行った.
 結果 : フラバンジェノール®の抗酸化能 (ROS阻害率) : 100mg/mlおよび10mg/mlフラバンジェノール®添加群において統計学的有意なROS阻害を示した. 細胞増殖率 : 歯肉線維芽細胞もしくは歯根膜細胞において, フラバンジェノール®非添加群と比較しフラバンジェノール®添加濃度に対し依存的に細胞増殖傾向を示したが, 統計学的有意差は認められなかった. 抗酸化能 (ROS阻害率) : 歯肉線維芽細胞もしくは歯根膜細胞において, フラバンジェノール®非添加群と比較しフラバンジェノール®添加濃度依存的に統計学的に有意なROS阻害率の増加 (p<0.05) が認められた. ATP産生の測定 : 歯肉線維芽細胞において, フラバンジェノール®非添加群と比較し, 100mg/mlフラバンジェノール®添加群において統計学的に有意なATP産生率の増加 (p<0.01) が認められた.
 結論 : 以上より, フラバンジェノール®in vitroにおいて, ヒト歯周組織由来培養細胞の代謝活性を促進することにより歯周組織への有用性が示唆された.

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