日本歯科保存学雑誌
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原著
CAD/CAM用コンポジットレジンブロックの研磨後の光沢度
大森 かをる山本 雄嗣英 將生桃井 保子
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2017 年 60 巻 3 号 p. 145-152

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抄録

 緒言 : 3種のCAD/CAM用コンポジットレジンの表面を3つの異なる研磨システムで研磨した場合の研磨面の光沢について, 客観的には光沢計を用いて光沢度を測定し, また主観的には歯科医による目視検査で評価した.

 材料と方法 : 評価の対象としたCAD/CAM用コンポジットレジンは, Katana Avencia Block, CeraSmart, Shofu Block HCである. また, 評価の対象とした研磨システムは, CeramDia MとCeramDia SFの組合せ (Ce), Pre ShineとDia Shine (Pr) の組合せ, Silicone points M2とCompomaster (Si) の組合せとした. レジン表面を湿潤下#100 SiCペーパーで研削して基準面とし, この面を各研磨システムで1分間研磨した. 研磨面の光沢度はgloss meterにより測定し, 結果はANOVAと単純主効果の検定を用い, 危険率0.05で統計処理した. また, 研磨面の光沢をJIS Z 8723に従い20名の歯科医師による目視検査で評価し, 表面の光沢の順位付けを行った. さらに, 研磨面のSEM観察も併せて行った.

 結果 : Prの研磨システムとSiのシステムにおいて, Katana Avencia BlockがCeraSmatやShofu Block HCより高い光沢度を示した. 研磨システムについては, Siのシステムが, すべてのCAD/CAMコンポジットレジンに対してCeやPrのシステムと比較して有意に高い光沢度を示した. 目視検査では, Katana Avencia BlockをSiで研磨した場合が最も高い光沢を示すとの評価を得た. SEM観察でKatana Avencia Blockは, ナノフィラーが高密度に充塡されている様子がうかがえた. また, Shofu Block HCでは配合された大小の粒子を確認した.

 結論 : コンポジットレジンの光沢は, コンポジットレジン材料と研磨システム両者に有意に影響を受けた (p<0.05). 最も高い光沢度は, コンポジットレジン材料ではKatana Avencia Blockに, 研磨システムではSilicone points M2とCompomasterの組合せに認められた.

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