日本歯科保存学雑誌
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原著
Ni-Tiロータリーファイルの切削能に関するマルチファイル法とシングルファイル法の比較
新井 恭子松田 浩一郎山田 理絵北島 佳代子北野 芳枝朝比奈 壮郎五十嵐 勝
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2018 年 61 巻 1 号 p. 40-47

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抄録

 目的 : 本研究では, Ni-Tiシングルファイル法としてRECIPROC (VDW, Germany, 以下, RE), Ni-Tiマルチファイル法としてTwisted File (SybronEndo, USA, 以下, TF) とProTaper (Dentsply, Switzerland, 以下, PT) およびステンレススチール製の手用Kファイル (ZIPPERER, Germany, 以下, SSK) を用い, 総拡大形成時間, 拡大形成後の根管偏位量, 拡大形成時の荷重について比較検討を行った.

 材料と方法 : 30度湾曲透明根管模型 (END-TRAINING-BLOC A0177, Dentsply) をRE, TF, PT, SSKで拡大形成した (各群n=9). 拡大形成前後の重ね合わせ画像で根尖孔から0~9mmの位置で根管偏位量を求めた. また, 総拡大形成時間, 押し込み荷重, 引き抜き荷重を測定した. 結果は, 一元配置分散分析の後, Games-Howellの方法で多重比較検定を行った (p<0.05).

 結果 : 総拡大形成時間はTF群<RE群<PT群<SSK群となり, すべての群間で有意差がみられた. 根管偏位量は, 根尖から0, 1mmではすべての群間に有意差はみられなかった. 2, 3mmではRE群とTF群, PT群, およびSSK群とTF群, PT群の間に有意差がみられた. 4mmではRE群とTF群, PT群, およびSSK群とTF群, PT群, TF群とPT群の間に有意差がみられた. 5mmでは, RE群とTF群, PT群の間に有意差がみられた. 6mmではRE群とほかの群, SSK群とほかの群の間にそれぞれ有意差がみられた. 7mmではSSK群とほかの群, TF群とPT群の間にそれぞれ有意差がみられた. 8, 9mmでは, SSK群とほかの群間に有意差がみられた. 拡大形成時の荷重はTF群<PT群<RE群<SSK群となった. 押し込み荷重ではすべての群間で有意差があり, 引き抜き荷重ではPT群とTF群には有意差がなく, ほかの群間では有意差があった.

 結論 : シングルファイル法のRECIPROCは, マルチファイル法のTwisted FileとProTaperに比べて高い切削能を示すが, 根尖湾曲部の内側で切削量が大きくなるため, strip perforationの防止が必要であることが示唆された.

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