歯科医学
Online ISSN : 2189-647X
Print ISSN : 0030-6150
ISSN-L : 0030-6150
大阪歯科大学附属病院における歯根完成第三大臼歯を 移植歯とした自家歯牙移植の臨床的検討
辻 要今井 美季子仲間 ひとみ覺道 昌樹永久 景那小滝 真也北吉 麻理奈石川 敬彬貴島 真佐子田中 順子糸田 昌隆井関 富雄
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 83 巻 2 号 p. 76-82

詳細
抄録

 自家歯牙移植は歯の喪失に対する有用な治療法の一つと考えられている.今回われわれは当院における歯根完成第三大臼歯を移植歯とした自家歯牙移植の臨床的検討を行ったので報告する.

 対象は2013年4月〜2018年3月に当院で歯根完成第三大臼歯を移植歯として自家歯牙移植を行った32例である.それらに関して患者の性別,年齢,受容部位,移植歯,移植方法,経過観察期間,術後経過(生存率,移植歯の歯周ポケット,動揺度,違和感およびデンタルX線写真による歯根膜腔・歯槽硬線・歯根吸収の有無)の検討を行った.

 患者の内訳は男性4例,女性28例で,年齢は22〜64歳,平均38.8歳であった.受容部位は─┐6│部と┌─│6部が各8例と最も多く,上顎が5例,下顎が27例と下顎に多かった.移植歯として用いられたのは─┐8│が13例と最も多かった.移植方法は即時型移植が25例,遅延型移植は5例,異時移植は2例であった.経過観察期間は6か月から4年10か月で平均は1年10か月であった.また,1年以上経過観察を行った症例は23例(74%)であった.移植歯の1年生存率は96.9%で,3年生存率は85.7%であった.移植後に脱落したのは1例で術後1か月に自然脱落した.抜歯に至った症例はなかった.移植歯の歯周ポケットが4mm以上のものは4例認め,8mmが1例,4mmが3例で,受容部位は─┐6│部および┌─│6部が各2例であった.骨新生遅延および歯根頸部吸収は1例にみられた.両者ともに同一症例で受容部は─┐6│部で動揺度1度で歯周ポケットが8mmであった.当院での第三大臼歯を利用した自家歯牙移植歯の生存率は高く,歯の喪失に対する有用な一手段と考えられた.

著者関連情報
© 2020 大阪歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top