色材協会誌
Online ISSN : 1883-2199
Print ISSN : 0010-180X
ISSN-L : 0010-180X
資料
pHに応答する粉体表面処理技術
大澤 友
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 88 巻 6 号 p. 171-174

詳細
抄録

耐水性と洗浄性を両立するサンスクリーンを開発するために,酸性条件で疎水性を示し,アルカリ性条件で親水性を示すpH応答性に着目した。pH応答性ポリマーとしてMAUホモポリマー,AMPS/MAUコポリマーを合成した。どちらのポリマーもpH7程度で親疎水性が変化するという目的のpH応答性を有しており,AMPS/MAUコポリマーのほうがMAUホモポリマーよりも短時間で疎水性から親水性に変化することが明らかになった。AMPS/MAUコポリマーを酸化チタンに処理したところポリマー同様のpH応答性を付与することができ,pH5の緩衝液には分散しないが,pH10の緩衝液には分散した。AMPS/MAUコポリマー処理酸化チタンをサンスクリーンに配合したところ,高い耐水性と良好な石鹸での洗浄性を確認した。この結果,これまで実現しなかった耐水性と洗浄性を両立した新奇なサンクリーンを得ることができた。

著者関連情報
© 2015 一般社団法人 色材協会
前の記事 次の記事
feedback
Top