2018 年 91 巻 4 号 p. 128-131
表面プラズモン共鳴励起増強蛍光分光(SPFS)は,金属表面自由電子と伝播光光子の共鳴現象(Surface Plasmon Resonance:SPR)によって誘起された局在増強電場を蛍光励起エネルギーとして利用する蛍光検出技術の一つである。SPFSは,励起エネルギーの局在化とセンサ光学設計により一般的な蛍光検出法(全反射蛍光検出や共焦点蛍光検出など)と比較して大幅にバックグラウンドノイズを抑制することが可能なため,システム性能として高いシグナル/ノイズ比(S/N)を得ることが可能である。本稿では,体外診断システムの検出技術として応用するための種々の検討を通じて,自動化されたSPFS免疫測定システムを開発した。また,前立腺がん診断で汎用されている前立腺特異抗原(PSA)をモデルマーカーとしてSPFS免疫測定システムの性能検証を実施した。