色材協会誌
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新しい機能をもった先端材料講座(第6講)
中空ナノシリカ粒子の環境低負荷合成とその応用
藤 正督中島 佑樹高井 千加Hadi RAZAVI-KHSOROSHAHI
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2018 年 91 巻 6 号 p. 193-197

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抄録

中空シリカ粒子とは,内部の空気層とシリカシェルからなる固体-気体コンポジット粒子である。その特異的な構造から従来の中実粒子よりも優れた特性が発現する。その特性を活かすためには,フィルムなどの最終製品中における中空シリカ粒子の分散性の向上が不可欠である。フィルム中に良分散された中空シリカ粒子は,多くの特性を発現し,驚くべき特性の一つとして,汗で滑りにくいコーティング材料としての応用があり,北京オリンピック以降国際オリンピック連盟公式球として使用されている。本稿では,中空シリカ粒子の作製手法から始まり,特性発現に不可欠な分散技術,そして中空シリカ粒子の応用技術について紹介する。

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