2018 年 91 巻 6 号 p. 206-211
塗料は多くの工程を経て塗膜となり,「美観」と「保護」を被塗物に付与する。
したがってわれわれは,塗膜が要求品質を満たすことを確認しなくてはならない。そこで,比較的簡便な実用性能評価を用いて定性的に評価している。また,塗料は塗装され,乾燥・硬化過程を経て塗膜となることから,各工程で起こる現象(塗装作業性)を把握して適切に制御できるように配合設計しなければならない。そのためには,物性解析を活用し,各性能を定量化することや各現象を解析することが効果的である。本稿では塗料・塗膜について,実用性能評価方法,そして,物性解析の基礎と活用方法について紹介する。