2021 年 94 巻 9 号 p. 252-255
粒子同士が離れた状態で周期配列したコロイド結晶をエラストマーで固定した,チューナブルコロイドフォトニック結晶フィルムを作製した。柔軟性を有する本フィルムをアルミニウム試験片表面に接着し,その状態でアルミニウムの引張試験を行った。応力印加前のフィルムは,フィルム面に平行に配列したFCC構造の(111)面に起因するブラッグ反射により赤色を呈していたが,アルミニウムのひずみ量の増加にともない,おもにその格子面間隔が減少することによりブラッグ反射波長が短波長側へシフトした。その結果,フィルムの色はひずみ量に応じて赤色から橙色,黄色,緑色へと変化した。本フィルムは,接着することにより対象物のひずみ量を色変化から検出できる簡易センサへの応用が期待できる。