2023 年 96 巻 12 号 p. 400-404
生物難分解性の染料を含む排水は処理の難しい排水として,さまざまな水処理技術の開発ターゲットとなってきた。一方,塗料は呈色成分を懸濁物質として含むため,その分離除去が処理の中心であったが,凝集沈でん法で除去できない溶解性の成分への対応が必要となる機会が増えている。生物難分解性の物質の処理に促進酸化処理が検討される機会も増えてきたが,コスト面の課題を抱えている。凝集沈でん,生物処理,オゾン処理,促進酸化処理,吸着処理などの水処理方法の染料・塗料含有排水への適用について概観する。