色材協会誌
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総説
細菌が産生する色素とその役割~臨床微生物検査の観点から~
蓮沼 裕也
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ジャーナル 認証あり

2024 年 97 巻 5 号 p. 135-140

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抄録

臨床微生物検査や感染症において分離される微生物の中には特徴的な色素を産生するものがある。細菌や真菌によって産生される色素は,おもにカロテノイド,フラビン,メラニン,フェナジン,キノンならびにバクテリオクロロフィルなどがあり,色素産生所見は菌種同定などにも役立つ。黄色ブドウ球菌が産生するStaphyloxanthinは病原因子として働くことから,黄色ブドウ球菌感染症の治療戦略の一つのターゲットとなっている。

ProdigiosinやViolaceinは古くから研究されてきた有名な色素で,繊維染色やインクなど工業的にも用いられる。緑膿菌が産生するPyocyaninやPyoverdineは,環境適応やほかの個体との情報伝達など生存戦略において重要な役割を果たすことが知られている。これらの大変興味深い細菌産生色素について,臨床微生物学において重要な細菌を中心に,その化学構造,役割,応用の可能性について解説していく。

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