カルコパイライト化合物は,太陽電池モジュール量産工程における低い温室効果ガス排出量,薄膜化によるフレキシブル軽量モジュールとしての応用展開,高い組成制御性にともなった最適禁制帯幅への整合性等の観点で太陽電池材料として魅力的である。本稿では,2010年代半ば以降でカルコパイライト太陽電池の高効率化におもに寄与してきたアルカリ金属フッ化物処理技術およびAg添加技術等の研究動向を紹介する。その後,近年,効率向上が鈍化傾向にあるカルコパイライト太陽電池のさらなる性能改善に向けて,光吸収層と裏面金属電極の界面で生じる接触抵抗の低減方法を提案し,遷移金属ダイカルコゲナイド界面層の電気特性制御技術について議論を展開する。