2025 年 98 巻 4 号 p. 110-114
化粧品分野において,感触特性は,一般に官能試験によって評価されている。しかし,官能試験は,評価者の技量や嗜好,環境要因によって結果が左右されやすいという側面がある。そのため,物理的な特性を用いた客観的な評価方法が求められている。とくに物理機器を用いた粉体の感触評価においては,液体や乳化物と比較して測定条件を規定することが難しく,ほとんど研究例がなかった。本稿では,粉体原料の感触特性を,粉体層せん断力測定装置,および圧壊力測定装置を用いて評価した事例について紹介する。また,最近のトピックスとして,X線CTを用いてプレストファンデーションの成型体内部構造を可視化し,感触に影響を及ぼす因子について検証した研究についても触れる。