2025 年 98 巻 4 号 p. 96-101
金属ペーストは,電子デバイスの製造や回路基板の形成において重要な役割を果たす材料の一つである。金属ペーストにはバインダーとして高分子樹脂が含まれており,印刷に適した粘性が付与されることで,微細な配線や電極の形成が可能となる。さらに,プリンテッドエレクトロニクス用途においては,印刷形成体が薄く均一であることが望ましく,そのためには印刷された金属ペースト中の金属粒子が乾燥を経て,高分散状態で平坦かつ高密に充填することが重要である。
本稿では,樹脂種がもたらす乾燥膜特性を考察するため,金属ペーストの乾燥過程における粒子の充填挙動を数値シミュレーションにより解析した。数値モデルでは,各樹脂の金属粒子との相互作用性を有効Hamaker定数として計算し,実験結果と一致する傾向を確認した。また,金属粒子-樹脂間相互作用性が粒子に働く粒子間力の相対的強さに影響することを確認した。