新しい赤紫色無機顔料の開発を目指し,母材料として輝石構造を有するCaCoSi2O6およびCaCoGe2O6を選択し,CaCoSi2O6とCaCoGe2O6を固相法およびPechini法で合成した。その結果,CaCoSi2O6は固相法では単相試料が得られなかった。また,単相で得られたすべての試料において,八面体型6配位されたCo2+のd–d遷移により波長500~600 nm付近および波長650~700 nmに光吸収が観測された。色彩測定の結果,赤色度(a*),青色度(-b*)および彩度(C)は,Pechini法CaCoSi2O6(a*=31.4,-b*=11.8,C=33.6),固相法CaCoGe2O6(a*=57.1,-b*=34.0,C=66.4),Pechini法CaCoGe2O6(a*=36.1,-b*=17.0,C=39.9)を示し,いずれも赤紫色を呈した。CaCoSi2O6およびCaCoGe2O6は市販顔料に匹敵する色彩かつ高い耐久性を有することから,新しい赤紫色無機顔料として期待できる。