抄録
マウスやウサギ,霊長類などの哺乳類の網膜には,形態学的・機能的に多様な網膜神経節細胞があることがわかってきた.形態学的には,樹状突起の形態や層構造によって少なくとも11種類の網膜神経節細胞があることが知られている.また,機能的にも,異なる種類の網膜神経節細胞が報告されており,たとえば,動きを検出する方向選択性神経節細胞やBlue-ON/Yellow-OFF神経節細胞,ローカルエッジディテクター,内因性光感受性網膜メラノプシン神経節細胞などが知られている.本稿では,これら網膜神経節細胞の形態学的・機能的多様性を概説するとともに,その視覚形成や病態生理へのかかわりについて議論する.