神経眼科
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症例報告
光干渉断層血流造影で撮影したLeber遺伝性視神経症の2例4眼
高山 圭兼子 裕規野々部 典枝羅 英明恒川 太一伊藤 逸毅寺崎 浩子
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2017 年 34 巻 3 号 p. 311-

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抄録

目的:光干渉断層血流造影(OCTA)で視神経乳頭周囲を撮影したLeber遺伝性視神経症(LHON)の2例4眼を報告する.
症例:①23歳,男性.3か月前からの左眼視力低下と眼痛で紹介された.初診時,矯正視力は右眼1.2,左眼0.1,眼圧は右15 mmHg,左14 mmHg,限界フリッカ値(CFF)は右眼44 Hz,左眼35 Hz,視野検査で左眼に中心暗点があった.両視神経乳頭が発赤・腫脹し,ミトコンドリアDNA 11778の点突然変異があった.蛍光眼底造影検査(FA)で両眼に漏出を伴わない視神経乳頭近傍毛細血管の拡張・蛇行があり,OCTAでも両眼にFAの所見と一致した視神経乳頭周囲毛細血管の拡張・蛇行があった.
②5歳,男児.健診時の左眼視力不良で紹介された.初診時,矯正視力は右眼1.0,左眼0.3,眼圧は右17 mmHg,左18 mmHg,CFFは右眼30 Hz,左眼20 Hz,視野検査で左中心暗点があった.右視神経乳頭は軽度腫脹し,左視神経乳頭は蒼白だった.ミトコンドリアDNA 11778の点突然変異があった.FAで右視神経乳頭近傍の毛細血管拡張と左視神経乳頭蒼白があり,OCTAは両眼視神経乳頭周囲毛細血管拡張があった.
結論:OCTAは非侵襲的にLHONに伴う毛細血管拡張を撮影できたため,診断に有用である可能性がある.

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