神経眼科
Online ISSN : 2188-2002
Print ISSN : 0289-7024
ISSN-L : 0289-7024
特集
眼瞼痙攣の治療
清澤 源弘小町 祐子髙橋 真美
著者情報
ジャーナル 認証あり

2017 年 34 巻 4 号 p. 411-420

詳細
抄録

眼瞼痙攣治療を成功させる10のヒントやコツをまとめた.
1)痙攣の状態の把握には「自己評価表(若倉表)」を用いる.原発性眼瞼痙攣でも薬剤性眼瞼痙攣でも多くが陽性を示す.瞬目テストは患者に「軽瞬」「速瞬」「強瞬」をさせる.治療歴の聴取もおこなう.
2)涙液の質と量の評価.ドライアイ症例には点眼治療とプラグ挿入が有効.
3)MRI画像診断:眼瞼痙攣は基本的に正常.片側顔面痙攣では血管圧迫がよく見つかる.
4)「眩しさ」「痛み」への治療として遮光眼鏡を処方.
5)眼輪筋へのボトックス投与.重症度と反応を診て,量を増減.副作用を十分説明する.
6)内服薬の併用,Clonazepam(リボトリール®)などの内服薬を投与する場合もある.「抑肝散加陳皮半夏」や「抑肝散」投与も可能.
7)症状を軽減する知覚トリックを利用する方法で,クラッチ眼鏡も有効.
8)最終手段として眼輪筋切除術がある.
9)医療者側からの積極的な働きかけが有効.「眼瞼・顔面けいれん友の会」の紹介や,「目と心の健康相談室」の利用もすすめる.
10)患者のニーズを把握するよう努めることが肝要.原点に戻り苦痛を除く工夫を怠らない.

著者関連情報
© 2017 日本神経眼科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top