視神経炎は,通常,視神経乳頭浮腫を伴う視神経乳頭炎と伴わない球後視神経炎に大別される.視神経乳頭炎には,鑑別としてうっ血乳頭,虚血性視神経症などがあり,より稀な疾患として,Leber遺伝性視神経症や感染性視神経症,ぶどう膜炎関連疾患,薬剤性視神経症などが挙げられる.視神経炎の治療は,通常ステロイドパルス療法が選択されるが,治療前に感染症の除外診断を行う.血清中抗アクアポリン4抗体が陽性であるステロイド抵抗性の視神経炎も少数例存在し,血液浄化療法も治療選択肢に入る.ステロイドや血液浄化療法後の後療法には,少量のステロイド内服および免疫抑制療法が用いられる.視神経炎治療後も多発性硬化症に移行する例がみられるため,適切な患者説明がなされる必要がある.