神経眼科
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特集
抗がん剤と神経眼科
柏木 広哉
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2019 年 36 巻 3 号 p. 297-303

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抄録

 現在2人に1人ががんになる時代である.そのため近年の抗がん剤の開発は目覚ましい.それに伴い眼の副作用の報告が増加している.この副作用は,眼部の多岐にわたり,神経眼科領域では,視力低下,視野障害,複視,羞明感などの症状があり,障害部位は,視神経,網膜,外眼筋,脳神経などにわたる.代表的な原因薬剤は,殺菌性製剤(パクリタキセル,ドセタキセル,シスプラチン,5-FUなど),ホルモン製剤(タモキシフェンなど)分子標的薬(クリゾチニブ,イマチニブなど),免疫チェックポイント阻害薬(ニボルマブ,ペムブロリズマブ,イピリマブなど)などがある.免疫チェックポイント阻害薬の副作用は,ぶどう膜炎が有名であるが,視神経障害,重症筋無力症など,頻度は少ないが注意すべき副作用がある.特に重症筋無力症は急激に全身型に移行するので注意が必要である.がん治療は,効果(ベネフィット)と副作用(リスク)とのバランスを考えることが重要であり,早期発見と医療連携が必要とされる.

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© 2019 日本神経眼科学会
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