神経眼科
Online ISSN : 2188-2002
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ISSN-L : 0289-7024
原著
学会誌『神経眼科』と文献データベース
丹沢 慶一大庭 紀雄
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ジャーナル 認証あり

2020 年 37 巻 1 号 p. 31-37

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抄録

目的:日本神経眼科学会刊行『神経眼科』の掲載論文を対象として,学術論文データベースにおける収録状況を調査した.

方法:PubMed(National Library of Medicine),Science Citation Index(SCI, Clarivate Analytics),Scopus(Elsevier),Google Scholar(Google),医中誌Web(医学中央雑誌刊行会),J-Stage(科学技術振興機構)を検索して『神経眼科』の英文書誌情報や英文抄録の収録状況(2019年7月現在)を調べた.

結果:『神経眼科』はPubMedには収録されたことがない.『日本眼科學會雑誌』は1948年以来,PubMedに8,601論文が収録されてきたが2017年7月に中止された.SCIに眼科関連和文誌は収録されていないが,SCIのソース雑誌に引用された場合は被引用情報を読み出すことができる.『神経眼科』はScopusに,創刊以来1,115論文(原著および総説)が収録され,2019年現在も続いている.検索ボックス(search title)にNeuro-ophthalmology Japanを入力して英文書誌および抄録を閲覧することができる.加えて,『神経眼科』は,Scopusに添付された新しいインパクトファクター(雑誌評価指標)CiteScoreの対象にエントリーされている.『神経眼科』の2018年CiteScoreは0.029である.世界中で利用度が高いGoogle Scholarを検索すると,『神経眼科』は,1984年の創刊から925論文の英文書誌情報と英文抄録が収録されている.必要があればフルテキストを閲覧することができる.Google Scholarへの『神経眼科』の収録は2019年現在も継続されている.『日眼会誌』が2017年半ばのPubMedへの収録中止に軌を一にして,Google Scholarからも姿を消したのと対照的である.日本国内にあっては,日本語文献データベース医中誌Webには書誌事項と抄録が収録されている.公的機関が運営する電子ジャーナルJ-Stageには,『神経眼科』と『日本視能訓練士協会誌』が参加して国内での活用促進を目指している.

結語:『神経眼科』の英文書誌情報や英文抄録は,Google Scholar,Scopusといったグローバルに流通する文献データベースに現在まで継続して収録されている.海外の研究者は『神経眼科』の英文抄録にアクセスして日本で生産された神経眼科の知見を容易に把握することができるであろう.海外における英文書誌情報や抄録のアクセシビリティという意味では,日本の眼科関連学会誌や協会誌の中で『神経眼科』の国際性は抜群だとしてよいだろう.『神経眼科』掲載については,Scopusを利用して,論文単位の被引用情報や雑誌評価指標を得ることができることも特筆に値する.

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© 2020 日本神経眼科学会
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