神経眼科
Online ISSN : 2188-2002
Print ISSN : 0289-7024
ISSN-L : 0289-7024
症例報告
眼瞼腫脹,複視で発見されたマントル細胞リンパ腫の一症例
小林 賢治清水 美穂宮部 靖子木下 貴正今泉 寛子
著者情報
ジャーナル 認証あり

2023 年 40 巻 2 号 p. 132-136

詳細
抄録

 マントル細胞リンパ腫(MCL)の約70%は節外病変を有するが,眼球付属器の発症は稀である.今回,眼瞼に発生したMCLの一例を経験したので報告する.

 66歳,男性.右眼瞼下垂を主訴に近医を受診し,精査目的に当科を紹介された.初診時,右眼瞼腫脹,上斜視,右眼上転制限と,複視がみられた.頭部MRIで両眼瞼に結膜下病変を認め,生検部位からマントル細胞リンパ腫と診断し,当院血液内科で化学療法を開始した.1か月後に眼瞼腫脹は改善し,複視は消失した.眼病変から見つかるMCLの頻度は稀であるが,眼瞼腫脹や複視が見られた場合,MCLも鑑別の一つとして考慮に入れるべきと考える.

著者関連情報
© 2023 日本神経眼科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top