心臓
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第22回 心臓性急死研究会
肺静脈隔離術施行2年後に心室細動をきたし, 蘇生に成功した1例
伊藤 尚志野呂 眞人橋本 剛榎本 善成久次米 真吾中村 啓二郎森山 明義沼田 綾香熊谷 賢太酒井 毅手塚 尚紀坂田 隆夫杉 薫
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2010 年 42 巻 SUPPL.2 号 p. S2_5-S2_10

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抄録
症例は43歳, 男性. 発作性心房細動に対し2007年12月に肺静脈隔離術(PVI)を施行した. 以後, ベプリジル200mgを処方されたが, 3カ月後から自己中断していた. 2009年6月1日, デスクワーク中に心肺停止となった. 救急隊到着時に心室細動(VF)が認められ, AEDで除細動が施行された. VFの原因としてPVIが原因の可能性を示唆され, 紹介入院となった. 心電図, トレッドミル運動負荷心電図, Holter心電図, 心エコー, LP, TWAでは異常所見が認められなかった. 冠動脈造影は正常, アセチルコリン負荷試験も陰性であった. エドロフォニウム10mg負荷後の右室流出路からの心室3連早期刺激(600-210-200-200)でVFが誘発されたため, 植込み型除細動器(ICD)の植え込み術を施行した. VFの原因は不詳であったが, 副交感神経優位時の電気刺激で誘発される特異な病態の可能性が示唆された.
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© 2010 公益財団法人 日本心臓財団
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