心臓
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臨床研究
プロトンポンプ阻害薬がワルファリンによる抗凝固療法に与える影響: ラベプラゾールとランソプラゾールの比較検討
古川 陽介仲村 尚崇深田 光敬中司 元安田 潮人小田代 敬太丸山 徹赤司 浩一
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2011 年 43 巻 12 号 p. 1515-1520

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抄録

目的: 近年, ワルファリン(warfarin; WFN) とプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor; PPI)の併用による薬物相互作用が指摘されている. 今回, ラベプラゾールとランソプラゾールの抗凝固療法に対する影響を後ろ向きに検討した.
対象と方法: 外来で安定した抗凝固療法が確認されておりPPIを追加投与された例をPPI投与群(n=19), PPIを併用せずにWFNの維持量を半年以上固定している例を対照群(n=12)とし, PT-INR値とその変化率, PT-INRをWFNの用量で補正した値(INR/WFN)および出血性イベントを評価した.
結果: 対照群とPPI投与前のラベプラゾール群およびランソプラゾール群でWFNの維持量, 平均PT-INR値, INR/WFNに有意差はなかった. PPI投与前後の平均PT-INR値はラベプラゾール群で変化なく(p=0.137), ランソプラゾール群で増加した(p=0.002). この増加は対照群のINRの自然変動より有意に大きかった(p<0.001). INR/WFNはラベプラゾールの投与では変化なく, ランソプラゾールの投与で増大した(p=0.011). 臨床的にいずれのPPIも出血性イベントは起こさなかった. ランソプラゾール群の2名でWFNを減量した.
結語: 今回, ラベプラゾールはランソプラゾールに比べて抗凝固療法下でのPT-INR値に影響を与えにくいことが明らかとなった.

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© 2011 公益財団法人 日本心臓財団
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