抄録
症例は68歳, 男性. 慢性心外膜炎精査目的で近医に入院中に, 自然蘇生した2度の心肺停止をきたした. 2回目の心肺停止時, モニターにて高度房室ブロックによる約3分の心室停止を認め, ペースメーカー植え込みと精査目的で当院へ紹介となった. 冠動脈に有意狭窄を認めず, 左右頸動脈洞マッサージは陰性であった. 臨床電気生理学的検査では, 洞調律時のAA時間, AH時間は正常範囲であたったが, HV時間は70msであった. 房室伝導に関しては, Wenckbach rateは150ppm, ブロック部位はAHであった. 右房・右室からの期外刺激や頻回刺激, 同時刺激を種々試みたが, 発作性房室ブロックは再現できなかった. そこで, プロカインアミドを投与するとHV時間が約100msまで延長し, 最終的にHVブロックを生じた. 補充収縮が出現せず心停止状態となった. ペースメーカー植え込み後は, 意識消失の再発なく経過している. 発作性ブロックの誘発にプロカインアミドが有効であった1例を経験した.