心臓
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臨床研究
オルメサルタン/アゼルニジピン配合錠の有用性の検討
浅野 冬樹笹井 正宏久野 越史池田 尚子田辺 彩夏山谷 清香前澤 秀之前田 敦雄森 敬善本田 雄気若月 大輔若林 公平礒 良崇清水 信行下島 桐佐藤 督忠江波戸 美緒東 祐圭鈴木 洋嶽山 陽一
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2012 年 44 巻 3 号 p. 292-299

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抄録

数種類の降圧薬を3カ月以上併用中の高血圧患者連続60例を対象とし, 既存使用のレニン・アンジオテンシン(renin-angiotensin; RA)系抑制薬とカルシウム拮抗薬をオルメサルタン/アゼルニジピン配合錠(レザルタス®)に変更し, 変更後の血圧と脈拍, アドヒアランスを解析した.
結果: レザルタス®変更後の平均服薬数は前2.7±0.8剤から後1.5剤±0.6まで有意に減少した(p<0.0001).
考察: レザルタス®により心拍数が低下したことはアゼルニジピンの特性で心仕事量低下による心保護作用につながる. アドヒアランス解析ではレザルタス®に変更後に血圧管理の改善は全体の57%であった. レザルタス®への切り替え前後の収縮期血圧に有意な変化はなかったが, 心拍数は69.0±6.2bpmから66.6±6.8bpmと有意に低下した(p<0.01). L型チャネルカルシウムブロッカーからレザルタス®に変更した群は心拍数69.1±5.1bpmから65.7±6.0bpmへ有意(p<0.01)に低下. N型チャネルカルシウムブロッカーに変更した群では有意な変化は認めなかった. 窓口負担は1,723円/月から1,228円/月に有意に低下した(p<0.0001).
結論: レザルタス®は, 薬剤数を減少させながら, 同等の降圧効果を持ち, 心拍数低下作用とアドヒアランス向上をもたらす薬剤であった.

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© 2012 公益財団法人 日本心臓財団
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