抄録
冠攣縮性狭心症(VSA)は一般的に予後良好とされているが,稀に致死的不整脈などで心肺停止(CPA)をきたすことがある.今回,CPA2症例を経験したので報告する.
症例1:44歳,男性.2010年5月安静時の胸痛発作あり,心カテーテルにてVSAと診断.内服を行い経過観察となった.同年11月に運転中に意識消失,救急隊到着時CPAで救急搬送.搬送中の車内で心室細動(VF)となり自動体外式除細動器(AED)を使用し,洞調律に復帰,VSA発作によるCPAと診断した.
症例2:40歳,男性.2011年4月朝トイレで意識消失,物音を聞いた妻が駆けつけたところ,あえぎ様呼吸だったために心臓マッサージを開始,救急隊到着時VFであり,AED使用で洞調律に復帰.緊急心カテーテルを施行したところ,冠動脈には有意狭窄はなく,エルゴノビン負荷で右冠動脈に99%の冠攣縮が誘発され,VSAによるVF,CPAと診断した.いずれの症例も低体温療法を行い独歩退院できた.