心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
[症例]
ピルジカイニドで誘発されアブレーションし得た発熱誘発性心室頻拍の1例
古山 史晃浅野 拓千葉 雄太川崎 志郎大西 克実大沼 善正菊地 美和伊藤 啓之小貫 龍也三好 史人渡辺 則和箕浦 慶乃安達 太郎丹野 郁小林 洋一
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 46 巻 4 号 p. 530-535

詳細
抄録
  症例は11歳, 男児. 生来健康. 心奇形なし. 4歳より37°C以上の発熱時に左脚ブロック下方軸, 心拍数170-200回/分の持続性心室頻拍を繰り返し, ベラパミル投与と解熱により停止していた. 5歳時に心臓電気生理学的検査を施行. 心室頻拍は心室プログラム刺激, イソプロテレノール負荷, 硫酸アトロピン投与では誘発されなかった. プロプラノロールを内服したが発作を繰り返したため, 10歳48kgのときに心臓電気生理学的検査を再施行. ピルジカイニド25mg投与したところ心拍数210回/分の心室頻拍が自然発生した. 誘発された心室頻拍は右室流出路自由壁側中下部が最早期のfocalパターンであり, 機序としてマイクロリエントリーが想定された. 同部位からの通電中に心室頻拍の周期は延長し, 洞調律に復帰した. 以降, 発熱による心室頻拍は認めていない.
著者関連情報
© 2014 公益財団法人 日本心臓財団
前の記事 次の記事
feedback
Top