2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_220-S2_225
症例は71歳男性. 拡張型心筋症 (DCM) に対する除細動器付き両心室ペースメーカ (CRT-D) 植込み後も心不全を契機とした心室頻拍 (VT) を繰り返し認めていた (持続性心房細動[AF]で心房リードは留置されず). 7年前に2種類のVTに対しカテーテルアブレーション (RFCA) を施行したが1種類は残存, アミオダロンを中心とした薬物療法を継続していた. 今回VT stormで再入院, RFCA施行. Substrate mappingで心外膜側は低電位領域を認めず, 心内膜側の基部側壁および中隔に限局した低電位領域を認め, 同部位への通電で以後VTの頻度は減少した. 術中両室pacing後に同じ連結期を有する心室期外収縮 (PVC) を契機とした非持続性心室頻拍 (NSVT) を認めた. 術後は洞調律を維持していたため心房pacingが可能となり, AAIにて自己QRSを温存した結果, 心不全が改善しVTの再発なく心不全管理が良好となった. 結語 : RFCAおよび心房リード追加が本例のVT storm抑制に有効だった.