心臓
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[症例]
左浅大腿動脈のステント内に新たに形成された高度石灰化病変のため治療に難渋した1症例
杉原 隆太松尾 浩志竹田 泰治平田 明生柏瀬 一路樋口 義治安村 良男
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2016 年 48 巻 12 号 p. 1391-1397

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抄録

 症例は79歳男性.2011年に左浅大腿動脈閉塞病変に対してベアメタルステントを留置された.2013年には下肢動脈エコーでステント内閉塞が認められ内服加療強化したが,2015年に症状の増悪が認められたことから,血管形成術を行う方針とした.

 病変のワイヤクロスに難渋し,0.035 inch stiffness wire,debulking deviceを用いても病変を通過できず,最終的に40 gの先端荷重のtapered wireで通過した.加えてバルーン拡張にも難渋し,最終的にはスコアリングバルーンの高圧拡張により拡張が得られた.血管内超音波検査で病変を評価するとステント内に新たな高度石灰化が認められ,治療に難渋した要因と考えられた.今回,左浅大腿動脈のステント内に新たに高度石灰化病変が形成された1症例を経験したので報告する.

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