2016 年 48 巻 SUPPL.1 号 p. S1_117-S1_123
当院で診療した, たこつぼ心筋症42症例のうち, 5例が経過中に死亡し, 突然死が2例, 心原性ショックが1例, 肺炎・膵がんが1例ずつであった. 突然死をきたした1例目は84歳女性, 高カリウム血症に伴う洞不全症候群で入院となった. 第4病日にV2-6のST上昇を伴う前胸部痛が出現し, 心尖部のバルーン状拡張を伴った. 冠動脈造影の準備中に施行した心エコーで左前下行枝の血流は保たれ, たこつぼ心筋症が強く疑われた. 心エコー中に急速に心嚢液貯留を認め心破裂と診断した. PEAとなり, 死亡した. 2例目は75歳女性, 右冠動脈に対してPCIを繰り返していた. 胸痛を再発したが, 冠動脈造影検査で右冠動脈#4AVの90%狭窄を認めるに留まり, 心尖部のバルーン状拡張を認め, たこつぼ心筋症と診断した. 翌日の血液透析中に胸部違和感を繰り返し, 透析開始後3時間31分で突然PEAとなり, 死亡した. 剖検では流出路狭窄を認めた. 以上の症例に若干の考察を加え, 報告する.