心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
[症例]
老年期に診断された部分肺静脈還流異常症に対し手術治療を行った1
半沢 善勝丁 毅文建部 祥田岡 誠遊佐 裕明田辺 友暁丁 栄市
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 49 巻 10 号 p. 1049-1054

詳細
抄録

 症例は75歳男性.以前より心不全を繰り返し,治療を受けていた.今回,同様に心不全をきたし当院入院,精査により部分肺静脈還流異常症の診断であった.右房は著明に拡大しており,ePTFEパッチによる心房内血流転換のみで手術を終えることが可能であった.術前から,右心不全の状態であり,また高齢者ということもあり,退院まで16日を要したものの,独歩にて退院した.老年期に診断される部分肺静脈還流異常症は稀であり,手術による心不全症状の改善が認められた1例を経験したので,文献的考察を含めて報告する.

著者関連情報
© 2017 公益財団法人 日本心臓財団
前の記事 次の記事
feedback
Top