松村 憲太郎澳本 定一井下 謙司, 高ホモシステイン血症に対する葉酸・ビタミンB12補充療法の血管内皮機能改善効果, 心臓, 2017, 49 巻, 9 号, p. 912-922, 公開日 2018/09/28, Online ISSN 2186-3016, Print ISSN 0586-4488, https://doi.org/10.11281/shinzo.49.912, https://www.jstage.jst.go.jp/article/shinzo/49/9/49_912/_article/-char/ja, 抄録:

 循環器外来で血漿総ホモシステイン(tHcy)を測定した1277例(男性559例,女性718例,平均年齢74±13歳)を対象にした.重回帰分析で血漿tHcyに対する有意な独立因子は年齢,estimated glomerular filtration rate(eGFR),ヘモグロビンとflow-mediated vasodilation(FMD)であった.血漿tHcy値13.6 nmol/mL以上の高ホモシステイン血症は385例(30.1%)にみられた.高ホモシステイン血症はより高齢で,冠動脈疾患や慢性腎臓病が多く,慢性炎症に貧血や低蛋白血症,低脂質などの栄養障害を合併していた.また動脈硬化指標のbrachial ankle pulse wave velocity(baPWV)は有意に高く,血管内皮機能を反映するFMDも有意に低かった.葉酸あるいはビタミンB12欠乏による高ホモシステイン血症の123例で葉酸あるいはビタミンB12製剤を3カ月投与し,前後で諸検査値を比較した.高感度CRP,LDL-コレステロールは有意に低下,血漿tHcyは23.9±13.6 nmol/mLから13.1±7.7 nmol/mLへ有意に減少,FMDも4.0±2.2%から6.1±3.8%へと有意に増加した.葉酸あるいはビタミンB12欠乏による高ホモシステイン血症に対する葉酸/ビタミンB12補充療法は,抗炎症作用と脂質改善作用を介して血管内皮機能を改善する.