2020 年 52 巻 4 号 p. 405-413
非弁膜症性心房細動と診断され,リバーロキサバンを新規服用する患者108名を対象に前向きに同薬のアドヒアランスと治療満足度を評価した.リバーロキサバン服用開始後,1,6,12カ月目にMorisky Medical Adherence Scale:MMAS-8,Anti-Clot Treatment Scale:ACTSによるアンケートを実施した.12カ月目まで回答が得られたのは42名で平均年齢は77歳,男性が48%であった.全体のMMASは1カ月目から12カ月目で7.0から6.8とやや低下し,ACTSは67から67と維持された.12カ月目のMMAS6以上を高アドヒアランス群(n=32),6未満を低アドヒアランス群(n=10)とし,2群間で比較した.高アドヒアランス群のMMASは1カ月目から12カ月目で7.5から7.5と維持され,低アドヒアランス群では5から4と低下した.低下量は高アドヒアランス群と低アドヒアランス群でそれぞれ0.01,0.65と低アドヒアランス群で有意に大きかった(p=0.04).高アドヒアランス群と低アドヒアランス群で1年後のACTSは68と62.8で,高アドヒアランス群で有意に高値であった(p=0.038).MMAS-8とACTSの間で正の相関(p<0.05,r=0.336)を認めた.リバーロキサバン療法の良好なアドヒアランスと治療満足度を認めた.