心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
[臨床研究]
非弁膜症性心房細動患者における直接作用型経口抗凝固薬リバーロキサバン内服の実地診療下での患者アドヒアランスと満足度調査:CHAT-Xa study
足達 宣宮崎 元康山本 智彦衛藤 聡岡村 圭祐浦田 秀則井本 公重眞島 健吉安藤 真一門上 俊明松崎 雅毛利 雅彦中村 祐一郎清水 正賀宮内 貞一乙成 孝俊
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 52 巻 4 号 p. 405-413

詳細
抄録

 非弁膜症性心房細動と診断され,リバーロキサバンを新規服用する患者108名を対象に前向きに同薬のアドヒアランスと治療満足度を評価した.リバーロキサバン服用開始後,1,6,12カ月目にMorisky Medical Adherence Scale:MMAS-8,Anti-Clot Treatment Scale:ACTSによるアンケートを実施した.12カ月目まで回答が得られたのは42名で平均年齢は77歳,男性が48%であった.全体のMMASは1カ月目から12カ月目で7.0から6.8とやや低下し,ACTSは67から67と維持された.12カ月目のMMAS6以上を高アドヒアランス群(n=32),6未満を低アドヒアランス群(n=10)とし,2群間で比較した.高アドヒアランス群のMMASは1カ月目から12カ月目で7.5から7.5と維持され,低アドヒアランス群では5から4と低下した.低下量は高アドヒアランス群と低アドヒアランス群でそれぞれ0.01,0.65と低アドヒアランス群で有意に大きかった(p=0.04).高アドヒアランス群と低アドヒアランス群で1年後のACTSは68と62.8で,高アドヒアランス群で有意に高値であった(p=0.038).MMAS-8とACTSの間で正の相関(p<0.05,r=0.336)を認めた.リバーロキサバン療法の良好なアドヒアランスと治療満足度を認めた.

著者関連情報
© 2020 公益財団法人 日本心臓財団
前の記事 次の記事
feedback
Top