1982 年 14 巻 5 号 p. 601-605
特に心室性不整脈に有効とされるDisopyramide(Rhythmodan(R))の血中濃度を経時的に測定し,腎機能との関連において本剤の動態を検討した.
対象は内因性クレアチニン・クレアランス(CCr)によって3群に分けた.また本剤の血中濃度変化に対する血液透析の影響をも検討した.各群8時間以降指数関数的に時間とともに血清濃度は降下し,排泄係数(eliminationconstant)は腎機能が低下するほど小であった.また血中半減期T1/2はCCrと全体で有意の負の相関を示し(r=O.61,p<0.O1),腎機能が低下するほど延長していた.2μg/ml前後の血清濃度では血液透析によってあまり影響を受けなかった.