心臓
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症例 人工妊娠中絶後に右心側感染性心内膜炎を認めた1例
安井 達松尾 信昭伊藤 嘉敏加藤 研一引間 正彦田中 孝也土手 健司右馬 隆之小柳津 直樹鶴原 敬三
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1988 年 20 巻 4 号 p. 469-474

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抄録

症例は21歳,女性.人工妊娠中絶後より持続する高熱にて入院した.入院時,咽頭には敗血症によると思われる小膿胞多数を認め,胸部X線にて小結節陰影を認めた.末梢血液像は,正球性正色素性貧血所見を呈し腹部超音波検査にて軽度脾腫を認めた.入院経過中,心雑音が出現し心臓超音波検査にて三尖弁付近の塊状エコー,三尖弁の逸脱,逆流所見が得られたことおよび,血中より黄色ブドウ球菌が検出されたことより右心側感染性心内膜炎と診断された。治療としてMCIペニシリンをはじめ種々の薬剤が投与されたが第89病日死亡した.剖検にて,右心室内に腱索断裂を伴う疵贅を認め,組織所見では疵贅の深部に大きなコロニーが存在したことより,疵贅内部への薬剤移行は不良と考えられ,内科的治療に抵抗性の場合には,時期を逸することなく外科的治療が必要であると考えられた.

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