心臓
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症例 テルフェナジン投与が誘因と考えられた心室頻拍の1例
久保 忠弘今給黎 承
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1997 年 29 巻 3 号 p. 226-230

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抄録

テルフェナジンは,非鎮静性の抗ヒスタミン薬として多くの国で汎用されているが,一方最近欧米にてマクロライド系の抗生物質等の併用にて心室頻拍や心室細動が出現することが報告されている.今回我々は,ファロー四徴症術後の患者でテルフェナジン服用後5日目に心室頻拍が出現した症例を経験し,経時的に心電図変化および血中濃度を追跡できたので報告する.症例は,22歳女性.3歳時ファロー四徴症の根治術を施行.その後症状なく経過していた.平成7年3月9日よりアレルギー性鼻炎のためテルフェナジン120mg/日を服用していたが,3月14日動悸を訴えた後意識消失が出現し当院を受診した.心電図上心室頻拍が認められカウンターショック(DC)後心房調律に復帰したが,QT延長が認められた.塩酸リドカインを使用したが,その後心室頻拍は翌日の夕方まで3回認められた.テルフェナジン内服中止後徐々にQTは短縮した.3月15日(最終服薬24蒔間後)のテルフェナジン未変化体血中濃度は,13.3ng/mlであった.3月18日の血中濃度は2.15ng/mlであり,翌日にはQT延長もほぼ正常化していた.根治術を施行したファロー四徴症でテルフェナジン短期および単独投与にて心室頻拍が生じた1症例を経験した.

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