心臓
症例 入退院を繰り返す難治性慢性心不全に対してピモベンダンの長期投与が著効した1例
36カ月の経過観察
上原 良樹岩瀬 孝中西 成元西山 信一郎関 顕
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31 巻 (1999) 11 号 p. 777-783

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抄録

ピモベンダンはカルシウム感受性増強作用とPDEIII阻害作用を併せもつ新しい心不全治療薬であるが,その長期投与による効果についてはいまだ明確にされていない.今回,原因不明の難治性慢性心不全に対して,ピモベンダンの長期投与が著効した症例を経験したので報告する.
症例は53歳,男性.心尖部陳旧性心筋梗塞の既往があるが,冠動脈造影では左前下行枝遠位部の亜完全閉塞以外有意狭窄を認めず,左室造影にて左室駆出率は正常であった.
1992年頃より心不全症状が出現し,心拡大,左室駆出率の低下が認められた.利尿薬,硝酸薬,ACE阻害薬の投与にもかかわらず,何度か入退院を繰り返し,その都度カテコラミンの点滴投与を受けていた.
1995年7月より外来にて,ピモベンダン5mg/日の投与を開始した.これにより,心不全症状は直ちに軽快し,心拡大および左室駆出率の低下も徐々に改善した.その後3年間,心不全の再燃や重篤な副作用の出現もなく,外来通院にて順調に経過している.
従来の治療に抵抗する,難治性慢性心不全に対して,ピモベンダン投与は考慮すべき治療方法であることが示唆された.

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