心臓
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総説 次世代型人工心臓開発の背景と現況
巽 英介
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2000 年 32 巻 1 号 p. 13-24

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抄録
人工心臓は自然心のポンプ機能を代行して全身の血液循環を維持する装躍であり,現在は傷害心の回復までの一時的使用または心臓移植までの繋ぎとして用いられている.一方,不可逆性重症心不全患者の全てを心臓移植で救命することは困難であり,かかる患者の救命・社会復帰を目指して半永久的使用が可能な次世代型人工心臓の開発が進められている.
次世代型人工心臓は,駆動部分のみならず制御部やエネルギー伝送部を含む全てのパーツを体内に完全に埋め込むことが可能な電気駆動方式のシステムで,要素技術の発達に伴って近年その開発研究も長足の進歩を遂げつつある.かかるシステムでは,体内外の直接的連絡をなくすことにより,経皮感染の危険性は大幅に低減し,さらに体内・体外バッテリによる駆動で患者の行動制限を大きく緩和することが可能である.次世代型の補助人工心臓に関しては,2種類のポータブル拍動流型システムが2,000例以上の臨床経験を経て近々市場販売される予定であり,また定常流型システムの臨床応用も最近開始された.
一方,次世代型の全人工心臓の研究開発も米国や我が国を中心に進められている.動物実験では数カ月~1年以上の長期生存が得られるようになりつつあり,各グループとも西暦2005年頃の臨床応用を目指して開発を進めている.次世代型人工心臓の開発は不可逆性重症心不全への対策を大きく前進させ得るものであり,1日も早い実用化が望まれる.
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