心臓
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第15回心臓性急死研究会 心臓性突然死の高リスク群と考えられる肥大型心筋症の1例
麻生 明見中村 俊博金谷 誠司迫 重樹松本 高宏大園慶 三郎酒井 喜久雄加藤 誠也
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2003 年 35 巻 Supplement3 号 p. 50-55

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抄録

大型心筋症(以下HCMと略す)の中に,死亡率が年間4~6%と高率である突然死の高リスク群が存在する.特に,過去に心停止や失神の既往のある患者,突然死の家族歴のある家族性HCM,心室性不整脈のある患者等は突然死の高リスク群と考えられる.
症例は33歳男性.15歳時に心電図異常と心エコ一所見からHCMと診断された.労作時の息切れを主訴に精査加療目的で入院となった.父親もHCMで61歳時に突然死しており,父方の親族3人にも突然死例がいる.今までに失神の既往はなく,心室頻拍等の不整脈を指摘されたこともない.突然死の高リスク群と考え,電気生理学的検査による心室頻拍/心室細動誘発を試みた.右心室心尖部からの二連続期外刺激にて心室頻拍が誘発され心室細動に移行し失神を来した.直ちに直流除細動を行い洞調律に復した.通常の植込み型除細動器(以下ICDと略す)の適応基準には合致しないが手術を勧めた.しかし,同意は得られず現在保存的治療で経過観察を行っている.本例は突然死の高リスク群と考えられる若年性HCMであり,高リスク群におけるICD適応についての文献的考察も加えて報告する.

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