抄録
各種疾患における循環血液量の多少を論ずるためには,健常者におけるその正しい評価法がまず必要となる.
この論文は.過去に報告された種々の循環血液量予測式をふまえ,幅広い年齢と体型に分布する日本人健常者の適切な循環血液量評価法を求めることを目的とした.
5歳から74歳に及ぶ健常者男子129名,女子91名を対象に,131I標識ヒト血清アルブミンを用いた1点採血法により循環血液量を測定し,体重,身長,体表面積および年齢を説明変数として回帰分析し、いくつかの予測式を求めた.
この中で,体表面積による単回帰式,身長と体重および身長の3乗と体重による重回帰式が,実測値の予測値からのばらつきが小さい(7.8~9.0%)点で優れていたが,この三者間における優劣は見られなかった.