18 巻 (2006) 4 号 p. 247-254
本研究では, 地域レベルの3次元的な塩類動態を経時的に把握することができる手法を提案した. この手法を用いて, 東北タイの塩類集積が発生している地域にて現地実験を行った結果, 以下の結果を得た.
(1) 試作した鉛直型電気伝導度センサは, 地下水位以下の土層においても計測可能であり, さらに土壌サンプルから得た電気伝導度と比較すると, 信頼性が高い値を出力していることが確認できた.
(2) 提案した手法をもちいて, 実験地域の3次元電気伝導度マップが作成できることを示し, その結果から, 地域の塩類集積の状況が確認できた.
(3) このマップ作成の時間について考察したところ, 計測開始からマップ作成まで, おおよそ1日で作業を完了できることから, 経時的な観測活動に適しているものと示唆された.
(4) 提案した手法により, 地域の3次元的な塩類動態が経時的に把握されれば,塩類集積の防止策や塩類土壌修復方法の評価や, 塩類集積メカニズムの解析などに貢献できる可能性が示唆された.