2008 年 20 巻 4 号 p. 247-252
サンダーソニアのクローン増殖を目的として,生殖成長器官である花茎の頂端分裂組織からの形態形成に及ぼすサイトカイニンの影響を検討した.NAAとサイトカイニン(BAP,TDZ,あるいはCPPU)を組み合わせて添加した培地で培養した結果,NAA 0.0μMとTDZ3.2μM,NAA3.2μMとTDZ 1.0μM,NAA3.2μMとTDZ3.2μM,NAA3.2μMとCPPU 3.2μMを組み合わせた4培地区において,供試したすべての花茎の頂端分裂組織から多芽体が形成された.多芽体のなかには多数の微細な不定芽によって構成されているものがあり,それを分割することで,多芽体が増殖した.多芽体からはシュートの伸長がみられるとともに,伸長したシュートの基部には子球の形成が観察されたことから,サンダーソニアの花茎の頂端分裂組織をこれらの培地区で培養することによって,サンダーソニアのクローン増殖が可能となると判断された.