2009 年 21 巻 3 号 p. 117-122
カイワレダイコン(Raphanus sativus L.‘Kaiwaredaikon’)の生育および抗酸化活性に与える光強度の影響について検討した. 白色光源を用いて3水準の光強度, すなわち0, 20, および280μmol m-2 s-1の試験区を設定しカイワレダイコンを栽培した. 5日間の栽培期間を経た後, 1個体あたりの胚軸長, 新鮮重, 乾物重, 含水率, 新鮮重1 gあたりの抗酸化活性および総ポリフェノール含量を測定したところ, 1)胚軸長は光強度が強いほど短くなった. 2)1個体あたりの新鮮重および含水率は光強度が強いほど低下する傾向にあった. 3)1個体あたりの乾物重は光強度によらず一定だった. 4)新鮮重1 gあたりの抗酸化活性および総ポリフェノール含量は光強度が強いほど増大したことが判明した. 本研究により, カイワレダイコンの新鮮重1 gあたりの抗酸化活性を高めるためには, 光強度を強くして栽培することが有効であることが示され, 環境調節による健康機能性の向上の可能性が示唆された.