植物環境工学
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論文
循環式移動栽培におけるイチゴの果実径推定手法
坪田 将吾手島 司山本 聡史林 茂彦
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2016 年 28 巻 4 号 p. 172-181

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抄録

循環式移動栽培における生育中イチゴの果実径推定手法の開発を目指し,着果高さ,着色度および着果状態への適応を考慮した果実径推定アルゴリズムを考案し,精度を調べた結果,以下の知見が得られた.1)イチゴ果実の中心軸の傾きが,果実径推定に与える影響を調べた結果,傾きが25°以上になると下方から見た果実画像において果実径方向よりも果実長方向の長さが長くなり,果実径の推定誤差が大きくなることがわかった.2)果実径推定アルゴリズムの高さ補正精度を確認するために,撮影部から400~600 mmの高さに果実を配置した20果(平均果実径36.5 mm)の果実径を補正係数Kmを用いて推定した結果,RMSEは400 mmで1.8 mm,500 mmで1.6 mm,600 mmで1.6 mmであり,高さによらず良好に推定可能であった.3)「紅ほっぺ」が6~8株生育する長さ1 mの栽培ベッド12台を供試して果実径推定アルゴリズムにより果実径を推定した結果,検出した180果の実測値に対する推定値のRMSEは3.5 mm(RMSPE 11.7 %)であった.果実の外周に未着色部が残る23果の果実のうち20果を低着色果実と識別でき,低着色果実の実測値に対する推定値のRMSEは2.9 mm(RMSPE 6.6 %)であった.着果状態別のRMSEは,対象果実が単独で存在する場合2.2 mm(RMSPE 8.3 %),赤色果実の重なりがある場合3.7 mm(RMSPE 10.3 %),下方に未熟果実がある場合3.5 mm(RMSPE 11.5 %),赤色果実の重なりがあり,かつ,未熟果実が下方にある場合で4.9 mm(RMSPE 14.7 %)であった.同色果実の重なりや下方に未熟果実がある場合でも比較的良好な推定が可能であったが,着果状態が複雑で果実の検出が困難な場合,推定精度が低下した.

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© 2016 日本生物環境工学会
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