日本小腸学会学術集会プログラム・抄録集
Online ISSN : 2434-7019
Print ISSN : 2434-2912
第57回日本小腸学会学術集会
セッションID: S2-6
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主題セッション2 難治性小腸疾患の診断と治療
腸リンパ管拡張症の診断と治療
*中村 正直山村 健史前田 啓子澤田 つな騎水谷 泰之藤城 光弘
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抄録

【背景・目的】 小腸内視鏡診断の進歩により腸リンパ管拡張症(Intestinal lymphangiectasia:IL)を含む蛋白漏出性腸症の小腸精査が可能になった。本研究の目的はILの臨床経過を後ろ向きに評価し、その特徴を明らかにしたうえでより良い治療法を模索することであった。

【対象と方法】 対象は2003年6月から2019年6月までにILと診断された17例(男性9例、女性8例、発症年齢は中央値37歳、0-75歳)であった。ILの診断は蛋白漏出性腸症と診断され且つ内視鏡下生検もしくは剖検にて病理学的に腸リンパ管拡張を認めたもので、他疾患が否定的であったものとした。白色絨毛、散布性白点を有する白色絨毛群(WV)と、異常なしもしくは軽度絨毛腫大、ケルクリング襞腫大を認める非白色絨毛群(NWV)に分けて臨床成績を比較検討した。

【結果】 WV、NWVは10例、7例であった。平均血清アルブミン値(g/dl)はWV:NWV = 2.0:1.2でNWVにおいて有意に低かった(P = 0.0061)。平均α1アンチトリプシンクリアランスはWV:NWV = 132:284(P = 0.0509)であった。ステロイド治療への反応はWV:NWV = 2/7:6/6 例でみられた。平均観察期間48箇月において1例のILが影響した死亡例を経験したが、重篤な真菌感染症によるものであった。

【結論】 NWV群は蛋白漏出は多いがステロイドへの反応がWV群よりも良好であった。治療のゴールドスタンダードは存在せず可能な可能で効果があるものを続けることが現状であった。

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© 2019 本論文著者
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